誰にでもあり得る
不妊の可能性
– 不妊で悲しむ方を
減らすために –
不妊の原因

2012年におけるIVF(体外受精)やICSI(顕微授精)などART(高度生殖医療)による出生数は32,426人で、全出生数に占める割合が3.09%、新生児32人に1人がARTの治療で生まれたことになります。(資料:日本産婦人科学会)
自然の状態で健康なカップルが避妊をしない場合の累積妊娠率は20%と言われており、更に最近の統計では6組に1組はなかなかお子さんが授からない現状があります。不妊症の原因について医学的な観点からみると、不妊原因の約41%は女性側、約24%は男性側、24%は男女双方に原因があり、残りは原因不明とされています。従って不妊は女性だけの問題ではなく男性にとっても身近であり、誰にでもあり得る問題なのです。(PresidentOnline12月10日より)
「どうして私だけが・・・」と考えることもあると思いますが、決して誰のせいでもありません。ご自分を責めるのではなくありのままに受け入れて、それに適切に対応してゆけばいいのです。

当院の不妊治療実績
(2018年6月実績)
不妊治療を受けたられた患者様の数に対する陽性判定数の割合 75.9%
この内出産まで至った方の割合 89.0%
不妊治療全患者様の数に対する出産割合 67.6%
不妊治療について
自分達の「子供を産み育てたい」という自然で普遍的な願いを
叶えられるように私達は患者様と共に手を携えて努力してゆきます
長年蓄積された不妊カウンセラーとしての知識と経験が鍼灸治療に生かされます
心と身体にのしかかる不妊治療の負担に一緒に向い合う不妊カウンセラー
不妊

「子供はまだ?」・・・この何気ない一言に傷つく夫婦は少なくありません。 子供が欲しいのに授からない、不妊治療を受けているのに結果が思わしくない…そんなお二人にとっては特に重苦しくのしかかります。不妊治療はご本人にとって身体的・経済的負担だけでなく、ご家族・友人など人間関係、会社など精神的・社会的にも微妙に影響してくる傾向があり、誰にも相談できず一人悩むことが多いものです。そんな時、胸のうちを聞いてくれるお友達は何よりの助けになりますが、お友達だからこそ相談しにくい…という方が多いもの。また患者様からよくお聞きするのは「自分の不妊治療はこれでいいのか」、「お医者さまに色々質問できる雰囲気ではない」といった不安や不満です。私達不妊カウンセラーはこのような患者様のお話にじっくり耳を傾けることにより不妊治療に係わる精神状況や不安・疑問を理解し、一緒に考えながら負担を軽減する努力をします。

※不妊カウンセラーは西洋医学における不妊治療の知識や患者様側の心理、
ケア方法など専門的な知識習得と訓練を受け、試験に合格して資格が認定されます。
鍼灸治療の可能性を拡げる入江FT…その全てを患者様のために
不妊カウンセラー+鍼灸治療=ハイクオリティーな不妊治療
小規模なのでお受け出来る患者様の数が限られます。
一般的な鍼灸と何が違うの?
不妊カウンセラーの圧倒的な知識と蓄積された経験が鍼灸治療に生かされます

当院はこれまで長年に渡り病院で不妊治療を受けていらっしゃる患者様の鍼灸治療に携わってきました。その数は延べ一万人を超えております。その過程で蓄積された圧倒的な知識と経験こそが一般的な鍼灸治療院との決定的な違いではないかと考えております。例えば「AMH値が0.34で、お医者様からは妊娠には否定的な話をされて落ち込みました。」と患者様がおっしゃっても正しい知識と経験がなければお答えのしようがありませんね。不妊カウンセラーとして患者様が抱える不安に向き合いながらより良い治療方法を模索してゆきます。加えて“入江FT”という特徴的な手法で、通常では見逃されるお体の変化を捉え、医師による不妊治療の各ステージにおいて必要と思われる補強や修正を行い、治療効果を確認しながら進めることが出来ます。これによって西洋医学の効果をより高めることが出来ます。

どうして不妊になるの?:不妊の原因について

不妊原因の約30%は女性側に、約30%は男性側に、27%は男女双方に原因があり、残りは原因が不明とされています。

【不妊となる要因】
膣内に十分な運動精子が射精されない、精子が子宮頸管内へ侵入しない、子宮内腔を溯上して卵管の中を遊泳し、腹腔側の出口に達しない、卵巣内で卵胞が順調に育たない、卵胞の破裂が起こらない、排卵後に残った卵胞の細胞から正常な黄体が形成されない、卵が卵管の口に取り込まれない、卵と精子が融合しない、受精卵(胚)が順調に分裂しない、胚が子宮腔に運ばれない、着床した胚が早期に死滅するか、排出される。

  • 【男性側の原因】
  • ・性欲減退による性交回数の減少またはセックスレス
  • ・勃起障害(ED)
  • ・射精障害(射精そのものができなかったり、膀胱へ逆流することなど。糖尿病などが原因になることもある)
  • ・男性ホルモン低下によるインポテンスや性欲減退
  • ・精子の産生に係る異常(ホルモン異常、停留精巣、染色体異常、遺伝子異常、クラインフェルター症候群、流行性耳下腺炎、精索静脈瘤、抗精子抗体など)
  • ・その他(抗精子抗体など)
  • 【女性側の原因】
  • ・子宮頸管の異常(頸管粘液の分泌異常、炎症や病変、抗精子抗体など)
  • ・卵管の閉塞や癒着による疎通障害
    (不妊患者の約35%にみられ、クラミジアなど症状が出にくい感染症によるものも潜在的に相当数存在していると言われる)
  • ・排卵障害に係るもの(卵胞が育たないか途中で停止する、無月経、PCOSなど)
  • ・卵の補足障害(原因不明不妊の約半数が卵の補足障害であることが判明した)
  • ・着床障害によるもの(子宮内膜に影響を及ぼす筋腫など腫瘍性病変や形態異常)
  • ・子宮内膜症によるもの(不妊女性では20~40%でみられる)
  • ・免疫にかかわるもの
    (抗精子抗体など。不妊女性の5~10%に認められ、原因不明とされる中でも精査すると13%に認められる。二人目不妊に深く係るともいわれる)
不妊治療はどのように進めるの?

[Step1]→[Step3]で進みますが、患者様の年齢やこれまでの治療実績、お身体の状態によっては[STEP3]から始めることもあります。

[Step1] 基本的な検査を受けましょう(6大検査)
医師が必要と判断する検査を順次受けましょう。これらの検査は不妊の原因を探ると共にご自分の体の状態を知る手がかりとなります。
原因が判れば対処法が明確になります。

1.基礎体温(BTL)
基礎体温表をつけて生理周期を把握します
2.精液検査
精液中の精子数、運動状況、奇形の有無等を把握します
3.子宮頸管粘液検査
排卵期に精子の溯上に適した頸管粘液状態になるかをみます
4.ヒューナーテスト
排卵期に性交後子宮頸管内を精子が溯上しているかをみます
5.子宮卵管造影
子宮の形と卵管の通過性を造影剤を使ってX線検査します
6.超音波画像診断
卵巣や子宮の形状・内膜の厚さもみます

※それでも10%の方が基本検査では全て正常なのになかなか妊娠しない「原因不明」の不妊症とされます。


[Step2] 一般不妊治療
子宮・卵巣 卵管、精巣静脈瘤等、或いは内分泌に異常がある等の場合は事前に服薬や処置することがありますが配偶子操作は精子のみを対象とします。

・タイミング指導
妊娠率2~5%程度】基礎体温、ホルモン検査、超音波検査による卵胞育成状況から排卵日を予測し、医師が妊娠確率の高い時期の性交を指導します。排卵誘発剤等を併用することもあります。
・AIH(人工授精)
【妊娠率5~10%程度】タイミング指導同様に医師が排卵日を予測し、良質の精子を選別してカテーテルで子宮内に注入します。

[Step3] 高度生殖医療(ART)
卵または受精した胚の操作を必要とします。

・IVF
(体外受精 → 移植)【新鮮胚移植あたりの妊娠率23.7%】基卵巣から卵を採取して精子と受精させ、培養してから、または凍結した受精卵を解凍して子宮に移植します凍結胚移植の方が有意に妊娠率が高くなる傾向があります。
・IVM-IVF
(未成熟卵体外成熟→体外受精→移植)最近行われるようになった方法で、特徴は卵巣への無視激または低刺激で未成熟卵を採取し、体外成熟後に授精を行い、受精卵を移植します。OHSSの危険性がなく患者様の負担が軽減されます。
・ICSI
(顕微授精 → 移植)【新鮮胚移植あたりの妊娠率20.1% 凍結胚33.7%】顕微鏡下で卵に精子を人工的に入れて受精させ、培養後に子宮に移植します

※妊娠率は日本産婦人科学会倫理委員会報告(2010年臨床実施成績)より

「生命の誕生に人間が手を加えるのは自然の摂理に反するのでは?」

不妊治療について「受精・着床等生命の誕生過程に人工的な手を加えることは自然の摂理に反するのではないか」というご意見をお聞きすることがあります。たとえ高度生殖医療であっても“生命の成立”という荘厳とも言える領域には“自然の摂理”という超える事の出来ない絶対的な壁が存在していて、生命を人間の手で作り出す事など不可能なのです。高度生殖医療ができるのは受精と着床までのプロセスの一部を手助けするだけでしかありません。生命については科学全盛の今をもってしても神の領域なのです。

不妊治療に対する鍼灸の効果

不妊カウンセラーがサポート
不妊治療は「出口の見えないトンネルに入ったようだ」と形容されますが、良い結果にたどり着けるか不確定な部分が多く、「いつ妊娠できるのか」、「何処まで続けるべきなのか…」、また治療に関して医師にも質問しにくい、適切な情報はどれなのか…と疑問や不安に押しつぶされそうになります。そんな時に経験豊富な不妊カウンセラーがサポートします。

タイミング法やAIH(人工授精)のサポート
毎週一回の治療を通じて体調を整え、妊娠を受け入れやすい体づくりをします。

IVFやICSIのサポート
クリニックにおける治療の各フェーズに即した鍼灸治療を施すことでホルモンバランス、子宮内膜の厚さ、卵胞の発育、卵の質の改善、何よりも子宮・卵巣に係る血流をスムーズすることによって着床・妊娠の可能性を高めることが臨床研究によって示されています。また鍼灸治療はIVF等の治療時に発生しやすい腹張感や痛み、不快感などの副作用を軽減することができます。現在では不妊治療を行う医師の大部分が鍼灸治療をはじめとする東洋医学の併用を積極的に勧めております。

男性のためのIVF&ICSIに向けた鍼治療
鍼灸治療や漢方薬の男性側に対する効果として、精子の運動性や数を改善するだけでなく、異常な形態を減少させることができます。
これには生活習慣の改善も求められますが、男性の場合ストレスの影響が精子の状態に現れやすく、ストレス対策が重要視されます。
鍼灸治療はこのストレス低減効果がとても高く、健康維持も含めてその有用性が認められています。生殖器領域への血流を増加させるためには精子提供の前に4〜6週間、週1回の鍼治療をお勧めします。

WHOの精液検査基準値(最低値)
検査項目基準値
精液量 1.5ml以上
PH 7.2以上
精子濃度 1,500万個/1ml以上
総精子数 3,900万個/1ml以上
精子運動率 40%以上
正常形態精子率 4%以上
白血球数 100万個/1ml未満

・基準値より悪いからといって妊娠が望めないわけではありません。
・基準値より良いからといって必ずしも妊娠が保証されるわけではありません。
これらの数字はあくまで目安であって、人それぞれに体質や環境が違うので数値の良否の裏に隠されたが原因を探ることが大切です。

精子の状態を改善する食品

1.バナナ
バナナは、パイナップルの実に含まれているブロメラインという酵素(通常は食肉を軟らかくするために使用)を含んでおり、男性ホルモン – テストステロンの産生を促進して精子数の増加に効果的といわれます。バナナはまた必須ビタミンのB1、AおよびCが豊富で、これらも精子の運動能力を良くします。

2.ダークチョコレート
ダークチョコレートに含まれるアミノ酸L-アルギニンHCLは、精子の数を増やし、精液の量を増やす効果があるといわれます。
ミシガン大学健康システムによれば、L-アルギニンを数ヶ月補給すると、精子の数、質、および受精能力を増加させる効果があるとのこと。

3.牡蠣
牡蠣に含まれる亜鉛は精子とテストステロンの生産を増やすと共に男性の性的機能改善に役立ちます。

4.牛肉(レバーなども含む)
牛肉は活性酸素から精子を保護する性質を持つ豊富な亜鉛源です。亜鉛はテストステロンが性欲低下をもたらすエストロゲンに変換するのを防止します。
またレバーに含まれるセレンも精子の質を改善する効果があります。

5.トマト
トマトは酸化防止効果のあるリコピンを多く含む食品です。リコピンと雄の繁殖力について欧米でいくつかの研究が行われており、運動性(精子の遊泳能力)、精子の活性および構造を有意に改善することが判明しています。リコピンは調理済みまたは加工済みのトマトにより多く含まれ、オリーブオイルを加えるとリコピン(脂溶性)の吸収を助けます。

6.クルミ
クルミはアルギニンが豊富で、精子の産生を促進し精液の量を増やすのに役立ちます。更にクルミに含まれるオメガ3脂肪酸は男性器への血流を増加さる効果があります。これらの有効成分は他のナッツに比較して2倍の抗酸化力を持つといわれます。

7.カボチャの種
カボチャの種も精子の発達およびテストステロン産生に重要な役割を果たす亜鉛に加え、他の必須ミネラルやビタミンが豊富に含みます。

8.緑黄色野菜
ブロッコリー、ほうれん草、グリーンアスパラ、レンズ豆などの野菜は、葉酸を多く含みます。葉酸はタンパク質の代謝やDNAの遺伝情報の伝達を助ける働きがあります。葉酸を摂取すると有意に精子の奇形や染色体異常が減少するというデータがあります。

9.ザクロ
ザクロは血液循環を改善し、心臓血管疾患のリスクを低減し、炎症を低下させる効果がありまます。 その高い抗酸化物質含量のためスーパーフードとみなされてきました。研究によるとザクロはテストステロンの増加効果が高く、精子の質を向上させ、性欲を高めるとされます。

10.ニンニク
ニンニクは、生殖器領域への血流を促進し、精子の産生を増加させるのに役立つアリシンと呼ばれる化学物質が豊富です。ニンニクはまた健康な勃起において重要な役割を果たす酸化窒素シンターゼまたはNOSを含みます。ニンニクはまたセレンとビタミンB6を供給し、精子の損傷を軽減します。

注意!

妊活期間中、男性は出来るだけ乳製品の摂取を控える方が良いと言われます。これは牛の乳量を多くする目的で飼料に添加した女性ホルモン剤がミルク中に微量ながら含まれることがあり、これが精子の産生にマイナスに作用することが考えられるからです。

精子の状態悪くする生活習慣

1.喫煙
喫煙は血液循環を阻害し、精子の質を低下させるだけでなく、心臓循環器系に悪影響を与え、ひいては勃起力の低下などの影響を及ぼします。

2.サウナや長風呂
サウナや長風呂は本来体温より少し低い温度でなければならない睾丸の代謝にマイナスに影響し、精子の状態を悪くします。

3.ピッチリ押さえつける下着
きつく押さえつける下着は血液循環を阻害し、熱の放散も妨げられるので睾丸の健康には好ましくありません。

4.ストレス
ストレスは精子の状態を左右する最大の要因といえます。フーナーテストでも3回実施して最良値を採用するのは精子状態がストレスや様々な外的、内的要因に左右されやすいからです。

5.スマホを前ポケットに入れて持ち歩く
スマホは常に電磁波を発しています。言ってみれば弱い電子レンジのようなもの。細胞の遺伝子が減数分裂している不安定な時期に電磁波を浴びせるのは好ましいわけがありません。

女性の体質改善、卵の質を良くする食品
基本は「まごわやさしい(孫は優しい)」の食品を摂る

1.豆
豆類には植物性タンパク質が含まれており、日本人に不足しがちなたんぱく質を無理なく補うことができます。
また、納豆や味噌など発酵させたものはさらに体調を整える効果が高いでしょう。

2.ゴマ
最近ではセサミンという脂溶性抗酸化物がサプリメントとして注目されているようですが、この抗酸化作用が肝臓の負担を軽減し、善玉・悪玉コレステロールの調整に役立つとされています。ごまに限らずクルミやアーモンドなどのナッツ類も同じような効果があるとされています。

3.わかめ(海藻類)
ミネラル(微量金属類)が豊富に含まれているほか、ムチンなどの粘膜保護効果、抗酸化作用など良いことづくめの食品です。

4.野菜(特に緑黄色野菜)
各種ビタミンやミネラルが含まれており、健康維持には欠かせない食品です。加熱に弱いのが欠点ですが、生野菜だけでは身体を冷やすので温野菜などにするとよいでしょう。

5.魚
魚全般、特に青魚(イワシやサバ、さんま、アジなど)はDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)等の油脂を多く含みます。
これらはオメガ3脂肪酸と呼ばれ、血液をサラサラにする効果と抗酸化作用を併せ持つ素晴らしい成分です。動物性脂肪より融点が低いため吸収されやすく、体温が低めの日本人の体質に合った健康的な油脂です。また牡蠣やアサリなどに含まれる亜鉛はホルモン系になくてはならない成分です。

6.しいたけ(キノコ類)
キノコ類には昔から神秘的な力が宿っていると言われましたが、それはさておき食物繊維やミネラルが豊富で且つ低カロリーは健康食品の代名詞のようなものです。

7.イモ(イモ類)
イモ類は今も昔も人類の基本的な主食といえる程身近な食品。これには沢山の食物繊維や炭水化物が含まれており、消化管を整えると共にエネルギー源ともなります。

8.その他 旬の食品を摂るように心掛けましょう
旬の食品にはその食品に含まれているという有効成分を摂取する最良の方法です。自然のサイクルに即した食品はその季節に必要とされる栄養素を的確に供給してくれます。また、一般に寒い地方、寒い時期に取れる食品は体を温める効果があるといわれます。特に寒い時期にはそれを念頭に置いて摂るようにしましょう。また、貧血を防止するために鉄分を多く含む赤みの肉、レバーなどを摂ることも大切です。鉄分はビタミンCを一緒に摂ると吸収効率が高くなります。

子宮・卵子の状態を悪くする生活習慣

1.喫煙
喫煙は男性の場合と同じく血液循環を阻害し、卵子発育、質の低下を招きます。

2.冷えを招く服装
婦人科系の疾患の根底には必ず冷えがあると言われるほど女性にとっての最大の適は“冷え”です。寒い季節に薄着をしたり足を冷やしたりすると、身体全体の血液循環が悪くなり、様々な不調の原因となります。

3.ピッチリ押さえつける下着
きつく押さえつける下着も血液循環を阻害し健康には好ましくありません。

4.甘い物の摂りすぎ
甘い食べ物は素早くエネルギーになるのですが、摂りすぎは身体を冷やすと共にタンパク質の糖化(タンパク質と糖が結合)が起こり組織が固くなります。その結果卵巣などに悪影響がでるといわれます。

5.寝不足
寝不足は低体温を招き、ホルモンバランスを崩す原因となります。

6.ストレス
ストレスは男性と同じく血液循環を悪くするので卵子の状態に影響します。

7.スマホを腰ポケットに入れて持ち歩く
常に電磁波を発しているスマホをジーンズの腰ポケットに入れて持ち歩くのは、卵子の遺伝子が減数分裂を行う不安定な状態あるときに電磁波をあてるのが好ましいわけがありません。

不育症について

不育症とは着床はするものの自然流産を繰り返してしまうことです。
二回までは「反復流産」、三回以上は「習慣流産」と言います。まずは検査を受け、原因を探りましょう。

不育症の原因

現在、明らかになっている主な原因は下記のものが考えられています。

  • 子宮の異常(子宮筋腫、子宮奇形など)
  • 内分泌異常(甲状腺機能異常、糖尿病など)
  • 染色体異常(受精卵の染色体異常、男女の染色体異常など)
  • 免疫異常(抗リン脂質抗体、自己免疫疾患など)
通常、一度の妊娠で流産する確率は10~15%あると言われています。その約60%は胎児染色体異常による偶発的な流産ですが、検査で原因が判明した場合はそれぞれに即した治療を受けることになります。具体的には、子宮に異常がある場合は必要な外科的処置を受けます。内分泌異常ではホルモン補充や糖尿病の治療をします。抗リン脂質抗体症候群は胎児側の細胞膜に対して抗体が反応し、血栓を作ることで胎盤内血管を詰まらせてしまい胎児に必要な酸素や栄養が届かなくなってしまうというものです。
小児用バファリンやバイアスピリンなど血液をサラサラにする薬を少量服用することによって血を固まりにくくします。重症の場合はヘパリンという強力な抗血液凝固剤を注射します。人工的に血友病に近い状態を作り、血液を固まり難くすることで血流を確保するわけです。染色体異常については残念ながら今のところ治療方法がありません。
原因の判らない不育症も少なからずあるので、生活習慣を見直したり、鍼灸や漢方などの補完医療を受け、体質改善を行うなど出来ることを積み重ねていくことが大切です。不育症であっても80%ご夫婦が出産に至っているというデータがあります。不育症と診断されても希望を捨てずに手を携えて前に進みましょう。
マタニティサポート
マタニティサポート
妊娠している女性にはMaternity Glowと呼ばれる独特の輝きがあります!
快適なマタニティライフのために、悪阻・むくみ・逆子など妊娠期間中に
起こりがちなトラブルはお薬を使わずに解消しましょう!

妊娠期間には初期・中期・後期があります。各段階には母体の内分泌変化や機能変化、
体型変化など器質的変化、精神的変化などを伴い、それにつれて体調の変化を自覚するようになります。
その多くは不快な感覚を伴いますが、鍼灸治療ではその不快感の発現を未然に抑えたり、
また低減することができます。しかも薬を使用しないので副作用がなく安全・安心に治療が受けられます。
単発での鍼灸治療でもある程度の効果は期待できますが、定期的な治療により母体の健康のみならず
赤ちゃんの健康をも向上させ、潜在的な合併症を予防し、赤ちゃんの発育にプラスの影響を与えます。

妊娠初期(着床~14週)【この時期に現れやすい症状】
悪阻(吐き気・気持ち悪さ・食欲不振・だるさなど)
風邪(免疫力の低下による)
腰痛など

着床したばかりの受精卵は細胞分割を繰り返しながら子宮内膜に血管の根を張り胎盤を形成してゆきます。母体は妊娠を維持するため
ホルモンバランスが変わり、自分の免疫機能を押さえるなど体内環境が大きく変化します。7週までは胎芽、人の形になる8週から胎児と呼びます。
この時期の胎芽は化学物質に非常に敏感なので、葉酸などのサプリメントを除きお薬の服用は極力避けるか、医師に相談のうえで服用するように
しましょう。また土や猫の糞、肉類にいるトキソプラズマ原虫、広く分布するリステリア菌 、麻疹、風疹などにも注意しなければなりません。
また9週までに摂理として自然淘汰の力が働き、生存に不利な遺伝子異常がある胎芽はこの段階で流れてしまいます。しかし、不育症との選別が
難しいため、早い段階での流産を繰り返す場合は不育症の検査が求められるでしょう。妊娠前期ではやはり悪阻の辛さを訴える方が多く、「船酔いがズーッと続いている感じ」と例えられます。鍼灸治療ではこの症状を効果的に抑えることが可能で、治療後の「スッキリしている間にご飯を食べよう!」と帰られる方が多くいらっしゃいます。

《こんなことに注意しましょう!》
人混みを避ける|出掛ける時はマスクを着用する|手洗いを石鹸でしっかり|肉類は中までよく火を通して食べる|調理器具は肉用と野菜用を分ける|
土いじりはマスクと手袋を着用する


妊娠中期(15~30週)【この時期に現れやすい症状】
悪阻(妊娠前期より軽減するか解消する場合が多い)
腹張感
足のむくみ
腰痛など
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)
不安症(マタニティ・ブルー)

妊娠中期はお腹がせり出してくるなど明確な外見的変化が表れてきます。そしてこの時期に胎動が始まり、“お腹に宿った新しい命”を実感するときで
もあります。悪阻はほとんどの場合収まりますが稀に出産近くまで残る場合もあります。お腹が大きくなってくるに従ってお腹の吊れや張る感じが
一般的です。また子宮が大きくなるため骨盤が開いてくることから骨盤股関節のアライメントが外側に変化してきます。妊婦さんが少しガニ股っぽくなる
のはそれが原因ですが、胎児を健康に育てるためには大切な変化なのです。この時期は胎児の成長に連れて栄養補給や老廃物の代謝を活発に行う必要が
あり、母体側の腎臓、肝臓その他の臓器への負担が増すことから疲れやすくなったり、持病が悪化したりすることがあります。むくみ、たんぱく尿、
高血圧など妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病を発症しやすいのもこの頃です。鍼灸治療はこのような内臓環境を整え妊娠高血圧症候群を防いだり、陥り
がちな精神的不安を軽減するのにとても効果的です。定期的な鍼灸治療で妊娠中期に起こりがちなトラブルを回避しましょう。


妊娠後期(31週~出産まで)【この時期に現れやすい症状】
逆子
腹張感
足のむくみ
腰痛など
妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)

妊娠後期は出産に向けた準備期間と言えます。この頃になるとお腹が大きく張り出し胸も張って動くことが大変になってきます。でも適度な運動は
安産にも効果があるので、特に医師から控えるようにとの指示がない限り軽い散歩をするようにしましょう。この時期、最も目立つ症状は 足のむくみ、
腰痛、逆子です。足のむくみの原因は内臓的なものを除いて、お腹がそけい部を圧迫するために起こることが多く、また、お腹のせり出しに伴う
後傾姿勢が腰痛を誘発するケースも多く見受けられます。これらの症状に対して鍼灸では内臓的な異常の鑑別を含め症状の軽減が可能です。逆子に
ついては、子宮の形状異常やへその緒が巻き付いているなど特別な要因がない限り38週まで80%の確率で鍼灸による治療が可能といわれております。
妊娠後期はこれらの治療を含め、安産に向けた治療を進めてゆきます。