院長からご挨拶
小松正輝

当院は東日本大震災直後の開設以来、一貫して不妊治療に尽力してまいりました。それは依然勤務していた不妊治療専門治療院で患者様の苦悩や不安、そして願いが叶った時の喜びに日々接して、「自分に少しでも役に立つ能力があるのなら、力を尽くして不妊に悩む方々の助けになりたい」と考えたからでした。 「自分の子供をこの手で抱きしめてみたい」という自然で普遍的な願いを叶えられるように、私達は患者様と共に手を携えて努力してゆきます。 もう一つ、私達、東洋医学に係る人間には“患者様を病気にさせない”という使命があると考えます。昔から「未病を癒す」と言われて来たように、お身体の日常メンテナンスとして、また不調を本格的な病気に至らせない予防策としての鍼灸をお勧めいたします。医学はiPS細胞や遺伝子治療などめざましい進歩を遂げ、これまで治療が不可能だといわれた分野まで可能性が拡がりつつあります。でも「何となく不調」、「だるさが抜けない」といった捉えどころのない曖昧な症状に対して西洋医学は対応出来ないのが現実です。東洋医学ではこの曖昧な症状に対しての診断を行い、それに即した治療をします。これが出来るのは長い年月(四千年かどうかは判りませんが)経験を積み重ね、それを体系化したものが東洋医学だからです。西洋医学、東洋医学(きっと他の伝統医学も)それぞれに得意分野というものがあります。その特質を上手く合わせて患者様の健康維持に繋がれば私達にとって最大の喜びとなります。

東洋医学に対する社会的評価の変化

以前は「鍼灸なんてそんなものやめときなさい」という医師が多かったのですが、近年は東洋医学の有用性が認められるようになり、西洋医学の治療と並行して鍼灸治療などの東洋医学を積極的に勧める医師が一般的になりました。それは西洋医学的治療と東洋医学の治療効果の機序、“効き方”が違うことが認知されるようになったからです。 例えてみれば同じ山の頂上へ違うルートから登るようなものです。目標到達点は同じでも方法が違うのですね。病院の治療ではなかなか改善しない症状が鍼灸や漢方薬など東洋医学で改善する例が多々あります。私どもの患者様に現役の医師を含む医療関係者が複数いらっしゃるのもその査証と言えるでしょう。

西洋医学は各種の薬や手術などいわゆる「シャープな治療」を得意としています。近年、非常に良い薬が開発されたり、負担の少ない手術方法が開発されたりと、格段の進歩を遂げ治療効果を高めています。 鍼灸や漢方など東洋医学はシャープではないけれど患者様が本来持っている体の力(生命力)を高める治療により妊娠に適した体に近づけていくことを得意としております。良い作物が育つように畑の土作りや水はけなどの環境を整えるようなものです。  このように西洋医学と不妊治療を受ける側の心理を理解しながら東洋医学の良いところを合わせ業として治療できる・・・これが当院の最大の特徴だと考えております。




治療院の様子
治療院の様子
ビルの入り口
治療ベッド1
治療ベッド1
治療ベッド2
治療ベッド2
入江FT(フィンガーテスト)について
入江フィンガーテスト
“見えないもの”を見る技術

初めて当院で治療を受けられた患者様は「手で何か感じているのですか?」とお聞きになります。
患者様には手をかざす様子が超能力みたいに見えるのでしょう。 当院では伝統的な経絡治療に加え入江FT(東京入江FT塾)を活用して治療しております。入江FTは故入江正先生が漢方(湯液・鍼灸)のために開発された画期的な診断・治療システムで、経絡治療を正確なものにするだけに留まらず、伝統的な経絡治療の枠を超えた新しい鍼灸・漢方治療の可能性を切り開く画期的な方法です。東洋医学に留まらず西洋医学の医師も導入するほど拡張性の高い優れた診断・治療システムです。 具体的には、患者様のお体に触れることなく、手をかざすだけで、または目で見るだけで不具合箇所や不調の程度を察知することができます。そのうえで色布と呼ばれる様々な色の小さなフェルト、小さなマグネット、風邪やウィルス、アレルギーを識別するカードなどを使い、独特の脈診法を併用して診断し、治療方針と方法を組立てていきます。治療しながら効き具合を確認できるのでより効果的な治療が可能になります。最後にお身体に気の偏りや停滞が残っていないかを確認して治療が終わります。

入江フィンガーテスト2
不妊治療の初診時は他の予約を入れません

不妊治療はとてもプライベートでナイーブなもの、他の人には聴かれたくないものです。当院では初診の場合は可能な限り他の患者様の予約を入れないようにして、お悩みを不妊カウンセラーでもある院長がじっくりお聴きします。そして心情も含めたお身体全体の状態を把握してその方に最も合った治療を組立てます。

入江FTと小松先生について
“東京入江FT塾 塾長|高橋 敏
医療法人光愛会 高橋外科医院 医学博士 高橋 敏

小松先生は経歴にあるように大学卒業後団体職員として勤務していました。その後ご家族が医療ミスに遭遇し、鍼灸に助けられた経験から鍼灸師の道を選びました。その後長野式鍼灸治療や入江FTによる鍼灸治療法を習得し、さらに日本不妊カウンセリング学会不妊カウンセラーの資格を取得、国際医療福祉大学の胚培養士養成講座を受講するなど、不妊・不育症について学んでいます。 私は東京入江FT塾の塾長として30年近く鍼灸師をはじめ医師・薬剤師に鍼灸・漢方薬についての実技や講義をしてきました。入江FTとは故入江正先生が開発された東洋医学的な「氣」の診断法であり治療法です。残念ながら現在の鍼灸治療には診断が欠けているため経験の積み重ねで漠然と鍼を打っているのが現状です。 このFTを使えばどの臓器が最も病んでいるのかを今までになく正確に診断・治療することができ、病んでいる人を治すことができます。また西洋医学にも応用することができ、その人に合う薬(例えば血圧の薬、糖尿病の薬など)を処方することが正確にできます。これは他に類のない素晴らしい診断法であり手技であります。  小松先生は10年以上にわたり入江FT塾で研鑽を積み、鍼灸治療に入江FTを取り入れ、特に不妊治療を専門に診療してきました。  不妊・不育の原因は様々です。東洋医学的には主なる原因は上実下虚であり、いわゆる冷えのぼせと言われています。これは肝・腎・脾の不足が大きく係り、小松先生はFTによる鍼灸治療でこれらを改善させて、胚移植における着床の陽性率(着床判定数/治療患者数)が76%と高い成果を得られているとの報告を受け、大変喜ばしく思っております。  また、不妊カウンセラーとして不妊治療についての専門的な知識や情報提供に加え、長年の不妊治療を通じて蓄積した経験を通して患者様が必然的に抱える肉体的・心理的不安・疑問(今の治療で良いのだろうか、誰にも話せない・理解してもらえない、生理のたびに落ち込む、自分やパートナーを責めてしまう、不育症について知りたい など)にも相談にのっているとのことで、不妊治療では非常に大切なことではないかと感じております。  最近の症例では「不妊治療専門病院で卵巣年齢が悪過ぎて妊娠は不可能と診断された方が小松先生の治療を受けた後、体外受精で妊娠した」また、「30歳から7年間複数の病院で不妊治療受けるも妊娠せず、3カ月間の鍼灸治療で妊娠した」ということを聞くと益々その技術に磨きがかかっており、今後も不妊で悩んでいる方に満足いく施術が行われることを期待しております。

スタッフ紹介
院長/鍼灸師
院長/鍼灸師
小松正輝

長年サラリーマン生活を送ってきた自分が今鍼灸師として仕事をしているなど想像もしませんでした。人生は邂逅と言いますが、家族が医療ミスから健康を害したことをきっかけに鍼灸の世界に目を向けることになりました。仕事の傍ら鍼灸学校の夜間部で3年間勉強し国家資格を取得しました。鍼灸師という仕事は患者様の人格を含めたお体全体に係る仕事です。それだけに治療技術だけではない難しさがありますが、日々患者様から学ばせて頂きながら、またそれを治療の効果として患者様に還元できれば最高の喜びとするところです。

経歴

大学法学部卒業|東京医療専門学校卒業
NPO法人全国鍼灸マッサージ協会会員|日本不妊カウンセリング学会会員
不妊カウンセラー|入江FT東京塾臨床科修了|長野式研究会応用講座修了
国際医療福祉大学大学院「#12考える胚培養士養成講座」修了
都内の不妊専門鍼灸院に勤務後独立

受付・アシスタント
受付・アシスタント
小松裕子

受付とアシスタントを担当しております。
暗い表情でいらした患者様がお帰りにはニコニコされているのを見るととても嬉しくなります。家庭的で温かい雰囲気づくりに努めていますが、不慣れなため患者様に迷惑をお掛けすることがあるかもしれません。何かお気付きのことがありましたらご遠慮なくお申し付けください。

合気道と鍼灸

私は趣味として合気道の道場に通っています。 スティーブン・セガールみたいになりたかったのではなく、合気道と鍼灸に相通ずる“何か”を強く感じていたからです。
その“何か”とは…合気道を始めてみて理解出来ました。それは「気を通じる」ということです。合気道では技を掛ける相手の気と自分の気を通じ合わせることが大切とされます。 合気道で派手に見える投げ技でも基本的に“力”は使いません。 相手と気が通じれば相手の力を利用した効果的な技が成立するのです。そうでなければただの力技になってしまいます。 これを鍼灸治療に重ね合わせると、やはり患者様の身体から発する気と通じてこそ本当の意味で良い治療が出来るとのではないかと思うのです。 実際の治療の場面において、患者様のお身体に手を触れたり、治療を進める過程でこちらが吐き気を感じたり、具合が悪くなることが良くあります。 それは患者様のお身体の気と通じることでどこがどの程度悪いかを感じているのだと思います。 また合気道は姿勢を大切にします。常に“体の軸”ということを意識します。つまりしっかりとした“軸”を作り、心身ともに安定した態勢にあることは治療家として大切な基本に通じます。  日本の武道は全般にそうですが、特に合気道は「無」という禅の要素が色濃く反映されていると思います。禅はあまりに奥深く、私には輪郭を感じる程度しかできませんが、その一端に触れる意味でも私にとって合気道はとても大切な存在なのです。 但し、武道をやっていても暴漢に遭遇したらまず逃げることが最優先です!